記号、現実、理想主義

社会について学び、考えるブログです

このブログを作ったきっかけ

 私は1983年にブルーカラー労働者と専業主婦の家に生まれた。暮らし向きは特に豊かではなかったが、住むところと食べるものに困った記憶はない。一般的な大衆の家だ。周りも同じような家庭背景を持っていた。だから、私の地元の友人たちはブルーカラー労働者や20代のうちに結婚する専業主婦が多い。

 私自身は地元を離れ結婚をして、今は専業主婦をやっている。夫はホワイトカラーの専門職だ。夫を介して知り合った人々も同様である。キャリアウーマンも多い。

 このプロフィールを聞いても何もピンとこない人も多いだろう。なぜこんな話をしているのかもきっとわからないはずだ。

 何が言いたいのかというと、私は階層を移動した、ということだ。

 私が育った世界は高卒の世界だった。しかし今は大卒の世界で暮らしている。私自身も大卒だ。

 私は大学への進学を決めた時、それが何を意味するのかちっとも分かっていなかった。ただ、たまたま勉強ができて、大学に行ったらいい仕事に就けるという漠然としたイメージがあって、それで進学を決めた。

 そして大学に入って愕然とした。そこに広がっていたのは、金銭的に恵まれた人々の世界だった。

 まず着ているものからして違う。私が着ているのは3000円のアウターでそれで特に安物という意識はなかったのに、彼らは1万2万はしそうなものを着ていた。

 その他、数えるときりがないが、この1億総中流と言われた国にこんなにはっきりとした階層があった。そのことが非常にショックだった。

 そして実感するのは、高卒の世界からは大卒の世界が見えないし、大卒の世界からは高卒の世界が見えないということだ。

 学歴社会の再生産という言葉は聞いたことがある人も多いだろう。それがどういうことを意味するのか?

 それは年収340万の家と年収800万の家が、まるで身分のように代々受け継がれていくということを意味するのだ。

 だから私はこの社会について学びたい。そして私に見えているものを伝えたい。

 そのために、このブログを作った。