記号、現実、理想主義

社会について学び、考えるブログです

大衆は右と左どちらを向くのか?

 私は理系の大学出身であり、あまり社会学には明るくない。

 だが、そんな中である予想を立てている。昨今の左派の凋落、右派の台頭は、右派こそがより大衆の方を向いているから起きている、と。

 今は左派が大衆に寄り添わず、右派がその役目を果たしている時代なのだ。

 なぜそのようなことが起きたかというと、世の豊かさの絶対値は上がったが、大衆は相対的に貧しいままであるからだ。

 世の豊かさの絶対値が上がり、何が起きたか?左派が労働者問題や福祉問題といった大衆の生活に直結した問題よりももっと理念的な問題に取り掛かるようになった。反戦争、反原発、ポリティカルコレクトネスといった問題だ。しかし、大衆はそうした問題よりも日々の生活の方が大切である。

 一方の右派は大衆に何を示したか?仕事である。国粋主義的な内需拡大志向を持った政策は、大衆に仕事を約束した。それは大衆が求めていた日々の生活を支えるものだ。

 しかし左派、特に左派インテリ層はそうした大衆の現実が見えていないように見える。なぜか?

 それは左派インテリ層がそれなりの数を持った派閥だからだ。世の豊かさの絶対値が上がったことにより左派インテリ層は数を増した。だから彼らは自分たちを特権階級だと思っていない。むしろ自分たちが大衆だという自覚すら持っているかもしれない。

 また、左派の重要な思想の一つに平等主義がある。その平等主義により彼らは階層の存在を認めない傾向があるようにも見える。それもあって、彼らは自分たちが特権階級であることに無自覚であるのではないか。

 その勘違いが、左派に対する大衆の支持を失わせている。さらに、分断と呼ばれる現象も引き起こしている。

 このまま行くと、100年後には大衆は左派であり特権階級は右派であった時代は忘れ去られ、大衆が右派であり特権階級が左派であることが当たり前の時代がやってくるかもしれない。その萌芽はすでに見えている。

 

 というのが私の今の考えだ。しかし、最初にも述べた通り私は社会学には明るくない。これらの考えは私なりに社会を見聞きして考えたものではあるが、致命的な勘違いを含んでいるかもしれない。

 なので、この考えの確からしさを検証するために勉強をしていきたい。