【読了】猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言
この本は、山本一郎氏がオススメをしていたので買ってみた。
読み始めてみて、最初は西原理恵子氏の漫画が載っており非常に読みやすい本を期待できるが、それは序の口まで。本編に入ると西原氏の漫画は載らなくなり、猫組長が淡々と語る世界の裏事情についての本になる。
この本を読みこなすには、ある程度の金融リテラシーが必要だと感じた。少なくとも与信取引の概要くらいは知っておく必要がありそうだ。
そうしたものが分からない私にとっては、この筆者が通った裏道というものの価値がいまいちよく分からない。作中に出てくる取引のうちどの部分が不正だったのかはさすがにわかるが、どうして普通はその不正がされないのかが分かっていないので、いまいち凄みが理解できないのだ。しかし、これは私のリテラシーの問題で、本が悪いという話では全く無い。
けれども、そうした凄みがわからない人間でもこの本は面白かった。自分が知らない世界を垣間見るということはいつでも面白いことだ。
そして、経済活動を研究した本は多いが、こうした裏社会の経済活動と表の経済活動を包括的に見た本はないだろうか?と思った。